困難を自分から作り出さない考え方

ケアマネの仕事内容は、ケアプランの作成が主であり、そこに辿り着くまでにアセスメントやモニタリングなど様々な活動を行います。その中で、困りごとや苦労していることがあるというケアマネは多いものですが、実はその困難をケアマネ自身が作り出しているという場合もあるのです。
事業所の引継ぎの際に、担当する利用者の情報を伝えることになりますが、その人の人物評や印象などを一言添えることで、その人の名前や年齢を知る前から先入観を抱かせることになっているのです。もちろん、理解を深める意味では良い方向に働くことも多いでしょう。しかし、深刻になるのはケアマネを何人も交代しているケースで、言うことを聞いてくれない、家族が非協力的、説得には根気が必要など、マイナスの事前情報ばかり積み重なってしまっていることがあるのです。
こういった場合、一度振り返ることが大事で、その人自身は最初から対処の難しいケースであったのかということを確かめる必要があるのです。もしかしたら、マイナス評価の要因を紐解いていくことにより、それを作り出しているのは実はケアマネ自身の先入観ということもあります。事前情報の収集は大事ですが、利用者と会う前からマイナスな印象ばかりを頭にインプットされてしまっていては、すべての判断がそこに引っ張られかねません。何よりも大事なのは自分の五感で直接確かめることであり、正確なアセスメントは、曇りのない目によってはじめて可能になるのです。安易なレッテル貼りをせず、公正に見極めることが重要になります。